パラダイムシフト-5 電化社会のシステム
「電化から霊化®社会へ」
5) 電化社会のシステム
ここで、電化生活の担い手である、電力会社と電気機器メーカーを例に見てみましょう。
先人が自然界から電気を取り出すことに成功するや、20世紀は電気文化が花開きました。それは、次の次第に依ります。
電気工学は、仕掛けをして自然界からエネルギーを貰い、発電・送電・変電し、電気機器にエネルギーを送り、照明・動力源となり、現代人の電化生活を実現しています。
消費者は、電気の詳しい知識は無くとも、信じてスイッチオンするだけです。
1.電力会社は、電気・法則の研究・システム化・電気を供給して、電気料金を徴収
2.電気機器メーカーは、電化製品を製造。付随して流通販売し、電光・電力を普及して、物品代金を徴収
3.大衆(消費者)は、照明・動力等を享受して使用料等を支払い、よって、電気・電流と電光・電力で、明るい文化生活は成り立っています。
ここで、電気機器販売について、もう少し検証しますと、
・電気機器メーカーは、製品の研究開発・製品製造販売を担います。
イ、会社役員・首脳陣は・司令塔の役目を果たし
ロ、会社員・従業員は・手足となって働きます
・流通部門(嘗ては全国に各メーカーの系列販売店網が在りました。今は大量販売店が価格を左右しています)
ハ、流通販売会社役員・首脳陣は・司令塔の役目を果たし
ニ、流通販売会社社員・従業員は・手足となって働きます
と、四つの役配が認められます。
因みに、文化生活のキーワードは、簡単・便利・早い・安い・安全・確実・平等などが考えられ、この枠からはずれると、市場から退場させられます。それは、難儀・不便・遅い・高い・危険・不確実・不平等と言えます
パラダイムシフト-4 四徳波羅蜜多
4) 四徳波羅蜜多
『釈迦牟尼仏を毘盧遮那遍一切処と名づけたてまつる。その仏の住処を常寂光と名づく。常波羅蜜に摂成せられたるところ、我波羅蜜に安立せられたるところ、浄波羅蜜の有相を滅せるところ、楽波羅蜜の身心の相に住せざるところ。』
(仏説観普賢菩薩行法経)
と、仏の世界を四徳波羅蜜多の成就した処と言います。私達は葬儀の時に「四徳波羅蜜現在前して、三身円満の大果を成ぜんことを」と廻向しています。これは生前にこそ僧俗で意識的に取り組むべきことですが、人類史を眺めると、図らずもこの線で発展して来ています。
常波羅蜜・常住不滅の生命
楽波羅蜜・無苦安楽の生活
我波羅蜜・自主自由の立場
浄波羅蜜・清浄平安の楽土
を、皆が希求して生きているからです。車社会も電化生活も飛躍的に進化して、楽波羅蜜は長足の進化を遂げています。
しかし、我・浄の波羅蜜は遅れていて社会は暗澹としています。これには別次元の、光明や動力源が必要なのです。人心の明るさ、自利・利他の行動力が、最も大事です。しかも令和の今、緊急事態ではないでしょうか。
(三大秘法稟承事)に於ける、
「この法門は義理を案じて義を詳らかにせよ」
と言う日蓮聖人の御教示に従い、三大秘密の法とよく似たシステムと思われる、電気文化に依る電化生活・電化®社会と比較してみました。
パラダイムシフト-3 日蓮仏教は 三大秘密の宗教
3) 日蓮仏教は三大秘密の宗教
「一身即三身なるを名づけて秘となし、三身即一身なるを名づけて密と為す、又昔説かざる所を名づけて秘となし、唯だ仏のみ自ら知るを名づけて密と為す。仏三世に於いて等しく三身あり、諸経の中に於いて之を秘して伝えず」
(天台大師・法華文句)と、秘密の説明がされています。
「此法華経には我等が身をば法身如来、我等が心をば報身如来、我等がふるまひ(振舞)をば応身如来と説かれて候へば、此経の一句、一偈を持ち、信ずる人は皆此功徳をそなへ(備)候。南無妙法蓮華経と申すは是一句、一偈にて候。然れども同一句の中には肝心にて候」 (妙法尼御前御返事)
と煎じ詰め、日蓮仏教は、
「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す。我等此の五字を受持すれば自然に彼の因果の功徳を譲り与へたまふ」 (観心本尊抄)
に結論されました。
つまり、法華経(一切経)の肝心を一大秘密の法・妙法蓮華経の五字と受け取り、更に、未だ覚らざる仏子(凡夫)をして、如何に開悟・成仏を見るかが、(報恩鈔等)に示された、
「天台・伝教等未弘の正法。三大秘密の法・南無妙法蓮華経の七字」で、これが法華経の肝要でした。
・本門の本尊・上行日蓮聖人奠定の大曼荼羅本門壽量仏之御本尊
・本門の戒壇・右御本尊の事相建立国、日本
・本門の題目・凡夫を仏に変化させる不思議な力。霊光・霊力の南無妙法蓮華経
「法華経と申すは、一切衆生を仏になす秘術まします御經なり」 (法蓮抄)です。
これは、名の如く秘密故に掴みにくい宗教からか、殊に本門の戒壇については、目下関心が薄くなっていますが、私共が一闡提(無関心)に陥っては大変です。