パラダイムシフト-2 蓮生桜滅の美しいご生涯 日蓮聖人
2) 蓮生桜滅の美しい御生涯 日蓮聖人
16歳で出家・修行研鑽。3/3の仏を悟って32歳で立教開宗。首都鎌倉の街頭で布教を展開。当時の宗教界は大衆に1/3の仏を本尊として崇めさせる支離滅裂状態。
社会状況は、巨大地震・疫病・内乱・2度の外寇・政治の末期症状と、今と似ていました。
多くが、現世に希望を無くし、せめてあの世では救われようと、理想だけの阿弥陀様に、命も金品も捧げました。アニメのヒーローを真に受けて、入れあげるという滑稽な姿でした。
日蓮聖人は、大衆の人生を意義あらしめる為、真実を伝道されましたが、良薬口に苦しで、社会の反発に遭い、ご苦難の連続でした。
初期、僅か1%残った弟子・信徒によって、770年の歴史を紡いできたのです。ところが、大自然界だけはこの聖者の活動を称えました。
千葉県房州小湊の浦でご誕生の時は、蓮の花が祝福。東京池上の地でご臨終の砌は、時ならぬ桜の花が開いて、聖者の有終の美を飾ったと伝えられています。
パラダイムシフト-1.三位一体の価値
日蓮仏教がもたらす究極の パラダイムシフト
電化から霊化®社会へ
日蓮宗別格本山 妙顕寺 加歴第48世
三浦恵伸:著
1) 三位一体の価値
仏の価値
上の表は、物事は三者が揃って価値があることです。
現代は車社会ですが、絵やプラモデルの車には乗れません。又、そこに車が在っても、動かなければ粗大ゴミです。美しい走りが大事で、事故で大破した車は醜態です。運転者の品格と技量の証差です。
パソコンも優れたハードに、秀でたソフトが入り、高い技能者がキーボードを叩いて、その価値が発揮されます。
人間も赤ちゃんの誕生を喜びますが、社会に仇なす人になることもあります。健全な肉体に健全な精神が宿り、美しい人生の華が咲きます。
実は「仏の価値も三位一体」が、法華経・日蓮聖人のスタンスです。
「総の三諦とは譬へば珠(中)と光(空)と宝(仮)との此三諦あるに由て如意宝珠と云ふが如し。故に総の三諦に譬ふ。若し亦珠の三徳を別別に取り放てば何の用にも叶ふ可からず。
隔別の方便教宗宗も亦是の如し。珠をば法身に譬へ、光をば報身に譬へ、宝をば応身に譬ふ。此の総の三徳を分別して宗を立つるを不足と嫌ふなり、之を丸して一と為すを総の三諦と云ふ。此の総の三諦は三身即一の本覚の如来なり。 (三世諸仏総勘文教相廃立)
と、仏の1/3の価値を示した、報身仏の代表である阿弥陀仏を、全き仏として本尊に恃む事の非を咎められ、本尊は3/3の価値を有した、完全円満仏の三身即一の本覚の如来でなければならないと、日蓮聖人は断案されたのです。
ひと口説法-5 猫の恩返し(日蓮宗新聞)
ひと口説法-5 猫の恩返し(日蓮宗新聞)
當山で、彼岸やお盆の施餓鬼会に参加しては、多くのご先祖に、塔婆供養を重ねて来た老婆Sさんは、国道45号線沿いに民宿を営んでいました。
Sさんは、行き交うトラックなどに轢殺された猫の遺骸を見捨てて置けず、丁寧に葬っては當山で塔婆供養をして来ました。幾体もです。
ある冬の寒い日、来山しての事。「お上人さん、今朝、明け方夢を見ました。私が狐の首巻きの様なものをして温もっています。でもよく見ると猫だったのです。」
私はこう応えました。「鶴の恩返しならぬ、猫の恩返しですね。Sさん」
「そんな事があるんですね」
日蓮聖人は、「丈六の卒塔婆をたてて、其面に南無妙法蓮華経の七字を顕しておはしませば、北風吹けば南海の魚族(いろくず)その風にあたりて大海の苦しみを離れ、東風きたれば西山の鳥鹿その風を身に触れて、畜生道を免れて都卒の内院に生まれん」(中興入道消息)
と、卒塔婆供養の功徳を述べておられます。
岩手県布教師会長・善慶寺住職・三浦恵伸