2009.H21.1.1年頭所感 三浦日常
日蓮宗新聞・2008平成20年11月10日号コラム「ひと口説法」に、住職の原稿が掲載されましたので、転載します。
・ 「 宗教革命 」
米国のビル・ゲイツ氏は、ウインドウズを開発し、パソコン革命に成功しました。
アイコン(象徴)をクリックするだけで、ソフトが立ち上がり、誰でも簡単に仕事が出来ます。
仏教は、中国の天台大師によって、成仏原理(一念三千)を解明しましたが、その立ち上げ方は余りにも難儀で、普及性がありませんでした。
日蓮聖人は、三大秘密の法を開発され、成仏のシステムを、一幅の大曼陀羅本尊に御図顕。身延山で人材養成され、本化教団の礎を築かれました。
それは、凡夫も妙法蓮華経に南無するだけで、御本仏と霊通し、佛願佛業(本来の生命活動)のソフトが自然に起動する、「宗教革命」でした。
私達門下は、お祖師様の一大構想に遵い、御題目(象徴)を中心に、自然・文化等が一大調和された国家の見本を示す・日本建国の核心なのです。
( 日蓮宗岩手県布教師会長・善慶寺住職・三浦恵伸 )
・ 昨年は金融危機が実体経済に悪影響を及ぼし、世界が萎縮して新年を迎えました。
来年のNHK大河ドラマは幕末の志士「龍馬伝」ですが、果たしてどのような人間像を描いてみせるのか・・・
世界はこの数100年間、社会動向のシナリオを描いた者の線に従って、展開して来ているように感じられます。
アメリカでは、オバマ大統領が、政府・議会に対するロビイ活動を規制しました。今までの政治は選挙によって選ばれた者による真の政治ではなく、中央政府に強大な影響を及ぼす勢力によって動かされてきたことへの、反省でしょう。
日本の郵政民営化も、日本の富を吸い上げるシステムの一環ではないかと、いぶかる向きもあります。
ウオール街でポケットの潤った者は口をつぐみ、そのつけを税金に廻すというやり方は納得できないと、米国民も言っています。
昨年はノーベル賞日本人受賞者が4人ありました。曾ての受賞者江崎玲於奈・野依良治 両先生は、テレビフォーラムで、「研究は問題の周辺を彷徨ってはいけない、核心に迫ることが大事」。
「科学は自然現象の真相に迫り、人類に多大な恩恵を与える。そこには人類の約束事・法律が求められるが、最後は徳律が大事だ」と述べていました。
ノーベル賞そのものが、爆薬を発明して巨額の富を得たものの、一方で巨万の人命が奪われた事への、ノーベルの懺悔でした。
日本人の徳律は、一部の勢力にとって不都合故に、戦後、家庭や学校教育の場から消されたのです。
日蓮大聖人の真意は「立正安国」そして「世界平和」の実現に他なりません。
正法を立てて国家を安んずる。何が正法なのか?
主 ー 従 貧を断ず
師 ー 弟 困を除く
親 ー 子 窮を除く
主師親の三徳(壽量御本仏・妙法五字)と、従弟子の三道(本化地涌の菩薩・南無妙法蓮華経・お題目信者)によって、生命活動は全きものとなるという、法華經の思想と神力が人類繁栄にとって最後の砦なのです。
日本国憲法は信教の自由を謳っています。それには、自己責任が伴います。
各家庭から自由に南無妙法蓮華経の道を確立し、心に柱が建ち、眼の開け、心豊かな人材を各界に送り、組織を活性化して、国家を健全にしなければなりません。
坂本龍馬の立ち位置は何処にあったのでしょうか? 平成維新・本当の民主主義を実現する時が来ています。
「大曼陀羅建立国・日本」(日蓮大聖人・御講聞書)
は、国家の有り様を、世界に示そう。という思し召しです。
10数年前の文章ですが、その様に社会は展開して来て居るようです。